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【イベントレポート】「真庭でリソ展 -ZINE好爆発- vol.2」に潜入してきた!

ZINE(ジン)を知っていますか?

ZINEは、自分の日記やエッセイ、趣味、嗜好、偏愛などを自由にまとめた個人制作の小冊子のこと。表現の自由度の高さが魅力で、自分の世界観を思い思いのデザイン・写真・文章・素材に落とし込んでいきます。自己表現の場として注目を集め、全国で販売会やフェスが開催され、ZINE文化がじんわりと浸透しています。

真庭市でも「真庭でリソ展 -ZINE好爆発- vol.2」(以下、「真庭でリソ展 vol.2」)が12/2(火) 〜12/7(日)に開催され、個性光る作家さんたちのZINEが集結。12/6(土)・7(日)には「マーケット & マルシェ」が開催され、ZINEとリソグラフアートの販売、ワークショップが行われました。

今回は、ManiColle編集部・吉田が「マーケット & マルシェ」に潜入し、ZINEの世界に初めて足を踏み入れました。当日の様子や参加者インタビューをお届けするとともに、ZINEの魅力に迫ります!

ズレもカスレも表現の一つ。ZINEとリソグラフの世界へ

マルシェには地元の人気店や有名店が出店

編集部・吉田はSpice Bar 升の薬膳カレーを注文。

編集部・吉田はSpice Bar 升の薬膳カレーを注文。


会場の真庭市立中央図書館は、勝山の町並み保存地区に佇む市民の憩いの場。この日は、入口付近に飲食店たちが並び、賑わっていました。

1階エリアのリソグラフ展示


館内に入ると、リソグラフとZINEの展示がお出迎え。リソグラフとは事務用のシルクスクリーン印刷機のことで、印刷物にズレやかすれなどレトロな風合いが出るのが特徴です。

リソグラフアート


一般的に印刷はズレなくプリントされるのが良しとされていますが、リソグラフではかすれたりズレたりしても『二度と出ない形だね』と受け入れられる世界。これは自由な表現が特徴のZINEと相性が良く、リソグラフを好んで使用する作家さんも多いのだとか。

ZINEとリソグラフの販売会の様子

リソグラフアートのバイキング

3階ではZINEとリソグラフの販売会やワークショップが開催され、全国の作家さんやお客様で大賑わいでした。

個性豊かなZINEたち

1日目のトークセッションの様子。テーマは『コミュニティ・ことば・記録』

2日目のトークセッションの様子。テーマは『ローカル・人・地図・地域メディア』

ZINE作家の方々によるトークイベントも開催されました。

「作品ではなく”ZINE”という形式を選んだ理由は?」「読者との出会いで、自分のZINE観が変わった瞬間」「人の物語を扱うとき、どこまで踏み込む?」など、主催者と作家たちがZINEへの愛を語り合いました。

ZINEコーディネーターインタビュー

酒井さん


ZINE部門のコーディネーター役は、真庭市でライターとして活動する酒井さんと、真庭市地域おこし協力隊の庄司さん。

今回のイベントは2024年末から構想。酒井さんが2024年7月開催の「真庭でリソ展」を訪れたことがきっかけで、リソグラフとZINEのコラボイベントのアイディアが生まれました。

錆をテーマにしたZINE。作家さん自身は鉄アレルギーで錆を触れないらしい


イベント開催に向けて、酒井さんは全国のZINEイベントに自ら足を運び、作家さんたちに出店の声がけをしました。会場では個性豊かなZINEが並び、なかには錆に特化したユニークすぎるZINEも。それぞれが思う正解を自由に表現できるのが、ZINEの面白さなのかもしれません。

酒井さんのグルメZINE『サカイシュラン』


酒井さん自身も、作家として地域のグルメをまとめた『サカイシュラン』を発刊。自身がよく行く飲食店を、真庭編と津山編の2冊にまとめました。「2024年に第1弾をつくり、今年はイベントに向けて1作目の内容を上回るように、飲食店を多めに掲載しました」とこだわりを語ってくれました。

庄司さん


今回のイベントの前には、酒井さんと庄司さんが全3回にわたるZINE作りのワークショップも開催。6名が初めてZINE作りに取り組み作品を完成させ、そのうち3名は「真庭でリソ展 vol.2」での販売に至りました。イベントもワークショップも、ZINEづくりに踏み出せない人の背中を押す機会になった様子。

庄司さんは「ワークショップの参加者には当初から『最初のZINEは売れないのが当たり前ですよ』と伝えていたのですが、それでもZINEを完成させて販売まで至った方が3名もいらっしゃったのが印象的でした」と振り返ります。

酒井さんが全国のZINEイベントでお声がけした作家さんが集結

ZINE作家インタビュー|ZINEに込められた想い

ZINEを販売した作家さんたちにもインタビューを決行!ZINEに込めた熱い思いを語っていただきました。

①『現場突撃型ローカルマガジン ながものがたり』栗本幸音さん

1人目は、『現場突撃型ローカルマガジン ながものがたり』を発刊する、木津川市地域おこし協力隊の栗本幸音さん。

栗本幸音さん


京都府木津川市南加茂台に住む人々に焦点を当て、職業や肩書きにしばられずに、日頃の過ごし方やバックグラウンドなどを綴っています。”毎朝1時間半歩いてラジオ体操にいく人”や”竹細工をライフワークにしている人”、”
街のガス屋さんの一角を、ただ新しくするのではなく、昔からのぬくもりを大切にしながら、手づくりでリノベーションしてきた人”などが登場し、温かい視点で住民たちを描いているのが印象的でした。

右は、栗本さんが高校生の時の悩み事をおやつで昇華したレシピのZINE


元々、栗本さんは音楽大学で、音楽イベントを通した地域活性化を学んでいました。担当の教授が真庭市に住んでいたことから、ゼミ合宿で真庭市を訪れます。そこで真庭市の地域おこし協力隊の活動を知ったと言います。

南加茂台に住む人々を丁寧に描く


就職活動ではデザイン職を目指すも、未経験者を採用する企業と出会えず。そこで、地域おこし協力隊なら実現できるかもしれないと思い立ち、ローカル情報紙の作成者を募集していた木津川市にたどり着きました。

実は、幸音さんのお母様も地元の情報誌を長年作っており、知らず知らずのうちに影響を受けていたと振り返ります。「母が地元で文具店を営みながら、島の情報誌を作っていて、あまり意識していなかったのですが、潜在的に『楽しそうな働き方だな』と思っていたのかもしれないですね」。

現在は第2号の発刊を終えたところ


情報誌作りで苦労することを聞くと、「音楽は形に残らない楽しさがある一方で、情報誌はしっかり形に残ってしまう。『しっかり魅力を伝えなきゃ』と思うと、細かいところまで気になってしまい、なかなか作成が進まない時があります」と語ってくれました。

すでに2冊目の発刊を終え、これからも継続して発刊していくそう。「取材した人や読者から喜んでいただいているので、作り続けていきたいなと。地域おこし協力隊の任期では足りないので、任期後も続けていけたらと思います」と意気込みを見せてくれました。

②『Sima-sima』栗本綾子さん

2人目は、『Sima-sima』を発刊する栗本綾子さん。先の幸音さんに、冊子作りの影響を与えたお母様でもあります。

栗本綾子さん


結婚をきっかけに大阪から広島県尾道市、しまなみ海道第一島目の島・向島(むかいしま)へ移住し、12年にわたって島の魅力を発信してきました。移住当初、島の人が「ここは何も無いところだから」と卑下する様子を見て、島の人たちに島の魅力を伝えたいという想いから、冊子を手にすることで、島の魅力に気づき、楽しく暮らしてもらうこと目標に作り始めました。

『Sima-sima』は年に一度の発刊


創刊号を見た島の人たちが、島への愛があふれる冊子と、とても喜んでくれたそう。「当初は『まずはやってみよう』精神で手探りで作ってみて、この冊子と共に自分も成長していけたらいいなと、気負わずに始めました。創刊後、飲食店の新店オープンが続き、ネタに尽きる事なく今に至ります」と振り返ります。

『Sima-sima』で好評なのが、島を網羅した地図。細い道や新しい店舗の立地も丁寧に反映され、島民や旅行者の役に立っているのだとか。他にも、少し昔の島の様子や学校とのコラボ企画なども行い、島のことに特化したコンテンツが充実。「『Sima-sima』編集室の横のカフェで、島民たちと街の困りごとや解決策を話し合っているんです。それが企画のネタになることもあります。感覚で言うと、ゲームで課題をクリアしていくような感じ」と楽しげに語ってくれました。

編集室と文具店『クリの文具』


綾子さんは、徐々に「まちづくりの人」として認識されるようになったのだとか。「はじめはまちづくりをしている意識はまったくなく、『ただ冊子作ってるだけなんだけど』って思ってました(笑)。でも、大きな行動でなくても、街のことを思って少しでも行動できれば、それが「まちづくり」なんですよね。だから今は、胸を張って「まちづくりです」って言えるようになりました」。

12年間、冊子を作り続けてくるなかで「この島に呼ばれてきたんだ、島のためになることをしよう」と使命感が湧いているのだそう。

「今後は『Sima-sima』がきっかけでつながってきた仲間たちと、もっとまちづくりをしていきたいです。最近では人とのつながりで、子どもたちの居場所づくりを行っているNPO法人の代表になりました。子育て世帯の移住を促したり、保育士や学校の先生の働く環境を改善したりとやりたいことはたくさんあります。もっと楽しく暮らせるまちにしたいです」。

③『BALI バリ島サヌールでしたい25のこと』かぴばら店長

今回のマルシェにも出店したかぴばら店長


3人目は、『BALI バリ島サヌールでしたい25のこと』を作成したかぴばら店長。真庭市勝山地区で「
かぴばらこーひー」を営む傍ら、バリ島に長年通い続け、バリ舞踊ダンサーとしての顔も持っています。

かぴばら店長がZINE作りに興味を持ったのは、約2年前に参加したZINEのワークショップ。元々イラストや旅の日記を作成していたことがあり、「真庭でリソ展 vol.2」で自身のZINEを販売することを目標に、作成に取りかかりました。ZINE作成中は酒井さんが開催するZINE作りワークショップにも通い、レクチャーを受けながら創作。やるしかない環境に身を置くことで、ZINE作りは捗るのかもしれません。

かぴばら店長が作ったZINE


ZINEでは、かぴばら店長さんが足繁く通うバリ・サヌール地域で”いつもしている25のこと”をまとめました。

こだわりを聞くと、「自分らしさを考えた時、カフェのInstagramで服のコーディネート写真の投稿を思い出して、ZINEでも取り入れました。また、ライティングでは友人に宛てる手紙のように、しゃべり言葉を意識して書きました」と語ってくれました。読むとかぴばら店長さんと一緒に旅をしている気分になります。

「かぴばらこーひー」の店内も店長の服装もバリの雰囲気


ZINEのデザインは、同じ真庭市で活動する友人のデザイナーに依頼。「デザイナーは私をよく知っている真庭市の友人です。ざっくりとしたイメージを伝えたら、素晴らしいデザインに仕上げてくれました。だから、これは友人と作ったZINEでもあるんです」と嬉しそうに話してくれました。

今後は、もう一つのお気に入りの場所であるベトナムや、東京から真庭市に移住したストーリーについてのZINEを構想中。クリエイターかぴばら店長の次作にご期待を。

真庭でZINE作ってみる?

今回ご紹介したZINEはほんの一部


自分の世界観を自由に表現できるZINE。表現は勇気が入ることでもありますが、「真庭でリソ展 vol.2」ではすべての”好き”や”偏愛”を、「それ、いいね」「面白い」と受け入れてくれる空気がありました。ZINEが気になる人や作ってみたい人は、ZINEへの静かなる熱狂が渦巻く真庭市へ。

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